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2012 年度 実施状況報告書

浸潤突起を選択的に採取できる新技術レーザープロテオミクスによる肺癌浸潤機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24659633
研究機関広島大学

研究代表者

岡田 守人  広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (70446045)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード浸潤突起
研究概要

肺腺癌細胞株の生物学的特性と浸潤突起部のタンパク解析を実施した。
多種のヒト肺腺癌細胞株においてEGFR、HER2、RAS遺伝子変異をhigh-resolution melting analysisにより高感度で特異性高く検索し、ALK rearrangementの有無を免疫組織染色やreverse transcription polymerase chain reaction (RT-PCR)、chromogenic in situ hybridization assayで調べ、その結果に応じて検索した細胞株を生物学的特性別に分類した。また、ヒト肺腺癌細胞株PC-9はEGFR変異を認めることが分かっており、コントロールとして使用した。ファイブロネクチンコートを施した穴あきポリエチレンテレフタレート(PET)メンブレン上で細胞を培養し、confluent状態にして突起を伸長させ、特殊なレーザー照射後に浸潤先進部にあたる突起のみを採取し、タンパク抽出を行った。さらに細胞のcell body部分をscratchにて採取し、タンパク抽出を行った。
突起のみの微量タンパクとcell bodyのタンパクそれぞれにおいて2D-DIGE法にてタンパク発現解析を行った。2次元泳動によりタンパクを分離し、cell bodyと比較して突起に高発現を認めるタンパクスポットの選出を行った。各実験は3回ずつ行い、スキャタープロットにて再現性の確認を行った。LC-MS/MS法により浸潤突起部で高発現する候補分子の同定、選出したスポットに関してgel digestionを行い、精製、分断されたペプチドをLC-MS/MSに供してそれぞれのスポットのタンパク同定を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

多種のヒト肺腺癌細胞株においてEGFR、HER2、RAS遺伝子変異、ALK rearrangementの有無を各種方法で調べた。また、ファイブロネクチンコートを施した穴あきポリエチレンテレフタレート(PET)メンブレン上で細胞を培養し、confluent状態にして突起を伸長させ、特殊なレーザー照射後に浸潤先進部にあたる突起のみを採取し、さらに細胞のcell body部分をscratchにて採取し、タンパク抽出を行った。
突起のみの微量タンパクとcell body全体ののタンパクそれぞれにおいて2D-DIGE法にてタンパク発現解析を、さらに2次元泳動によりタンパクを分離し、cell bodyと比較して突起に高発現を認めるタンパクスポットの選出を行った。浸潤突起部で高発現する候補分子の同定を行った。
以上より、予定通り進んでいる。

今後の研究の推進方策

今後は浸潤に特異的である候補分子の機能解析を追加的に行うことにしている。

次年度の研究費の使用計画

浸潤に特異的である候補分子の機能解析
1)計画1によって同定された候補分子の中から(a) 発現の変化・増幅の程度が大きい、(b)機能性蛋白と推測される、(c) 浸潤・悪性化と関連する機能が示唆される、(d) 細胞の運動性への関与が示唆される、の観点から解析すべき分子を選定する。
2)分子生物学・細胞生物学及び実験病理学の手法を駆使してその分子の機能を明らかにする。
3)浸潤に関わることが確認された分子に関してはヒト検体において再現性を確認して、ヒト肺腺癌において治療のターゲットとなるか否かの可能性を模索する。この方法として遺伝子レベルはRT-PCRで、タンパクレベルは免疫組織染色やwestern blotで行う。
更に最新の試験を得るために学会に参加する。
以上より、実験機器、実験消耗品、旅費、人件費に使用する予定である。

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公開日: 2014-07-24  

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