研究課題/領域番号 |
24659643
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
松村 明 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90241819)
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研究分担者 |
吉田 文代 筑波大学, 医学医療系, 助教 (30261811)
熊田 博明 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (30354913)
山本 哲哉 筑波大学, 医学医療系, 講師 (30375505)
中井 啓 筑波大学, 医学医療系, 講師 (50436284)
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キーワード | 中性子捕捉療法 / ガドリニウム / ホウ素 |
研究概要 |
中性子捕捉療法の薬剤キャリアはホウ素化合物が用いられている。これにより、各破砕反応でアルファ線を生成する。一方、ガドリニウムは中性子反応断面積は大きいものの、生成する放射線がγ線であることから、腫瘍選択性の点ではホウ素反応におとる。ただし、臨床で腫瘍制御を向上させるために、ホウ素中性子捕捉療法のあとにX線を照射することは脳腫瘍では行われており、一定の効果を上げている。したがって、ホウ素反応をメインとして、ガドリニウム併用療法は、X線併用とおなじ効果をあげる可能性がある。 まず、ガドリニウム含有フラーレンを用いたナノ粒子による腫瘍選択性実験、MRI造影剤として持ちいらえているGd-DTPAにおける生体内動態の確認、細胞によるホウ素・ガドリニウム併用中性子捕捉反応の放射線生物学的効果の検討を行った。 Gd含有フラーレンは、一定の腫瘍集積効果をゆうし、細胞、動物実験においても抗腫瘍効果を示すことができた。 Gd-DTPAは、すでに臨床で使用されている薬剤であるという有利な点があり、Micro-PIXEではその存在を示すことが可能であり、細胞照射実験においては、その併用効果を明らかにすることができた。また、動物内での薬物動態試験において、Gd併用によるホウ素腫瘍内濃度、ホウ素血液濃度への影響はきわめて少ないことが判明した。 一方で課題として、ホウ素およびガドリニウムの至適併用濃度比や、照射タイミングについては今後さらに検討するべきであると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ナノ粒子の作成、投与、腫瘍抑制効果は予定通り実験、検討できた。 中性子線のマシンタイムが不足しているものの、今のところ評価は予定通りに行えている。
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今後の研究の推進方策 |
Micro-PIXEによるナノ粒子、Gd-DTPAの分布比較を組織切片で確認する。 細胞照射で至適濃度比などの検討をさらに行ってゆく。
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