1. BDNFはニューロモデュレーターとして疼痛伝達に重要な役割を果たしている。疼痛時に後根神経節(DRG)で発現するBDNFexon1は、神経障害性疼痛モデル(Chungモデル)ではL4とL5で著しく増加していたが、癌性疼痛モデルではL3 DRGで増加が見られたのみであった。これはがん細胞を移植した脛骨の支配領域がL3であり、脛骨を介して癌性疼痛が発現していることを示している。 2. 神経障害性疼痛モデル(Chungモデル)で鎮痛効果が認められたBDNFexon1のデコイは癌性疼痛モデルではそれほど有効ではなかったことから、神経障害性疼痛と癌性疼痛の機序は異なっていることが示唆された。
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