シュワン細胞(SC)の皮弁内移植に着目し、脂肪幹細胞(ASC)より分化誘導したSC様細胞(dASC)の皮弁知覚向上効果を検討した。ラット鼠径皮弁を挙上、GFPラットより得た各細胞を移植、再縫着した。20週後、皮弁遠位・中心部の神経密度を評価した。移植後各細胞は約2週間の生存を認めた。遠位部ではdASCとSC移植による有意な神経密度増加を認め、その程度は非知覚皮弁でより顕著であった。一方、ASC移植は神経密度に有意な影響を与えなかった。中心部では何れの細胞移植も神経密度に影響しなかった。移植後早期、皮弁遠位部に限定されるもののdASC移植が皮弁知覚向上への新規アプローチとなる可能性が示唆された。
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