顎関節における未分化間葉系細胞を用いてEGFにより促進された細胞遊走が,抗uPA抗体や,合成uPA阻害剤によって抑制された.EGFはまた,uPAやuPAレセプター(uPAR)を蛋白発現とmRNAの発現,同様に,転写因子activator protein-1(AP-1)の転写活性を増大させた.これらはデキサメサゾン(DEX)で処理することにより抑制された.細胞遊走におけるEGFとDEXの相反効果は,転写因子AP-1の介在する事が示唆された.DEXは,uPAやuPARの発現を抑制し,このuPAとuPARの相互作用は,顎関節における変形性関節症に対し有効的な治療になりうる可能性が示唆された.
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