研究課題
口腔病変を持つ患者の口腔ケアの特殊性は、口腔領域に病変があるため、口腔ケアにリスクを伴い十分注意しなければならないことである。しかし、口腔ケアの担当者は必ずしも口腔疾患の病態を十分に把握しているとは限らない。また、現在までのところ、口腔疾患患者の口腔ケアに伴うリスクについても十分に検討されていない。その状況下で口腔ケアを開始するのは、不安がある。従来、口腔疾患の治療は、インシデント・アクシデント報告の積み重ねによる、ヒヤリハット中心の主に医療従事者個人の意識付けを中心としたリスクマネジメント対策によって支えられてきた。しかし、口腔疾患患者の口腔ケアに関しては、「リスクが高い」という認識は一般的でなく、インシデント・アクシデント報告の蓄積は少ない。そこで、本研究では、本来「製造業の品質管理」に用いられていたFailure Mode and Effect Analysis(FMEA)の手法を用いて、想定される失敗モードのリスク分析を行い、口腔疾患を持つ患者の口腔ケアに対する事前のリスクアセスメントを試みた。本年度は昨年、一昨年に引き続き、申請者が例として提示できるリスクアセスメントを行い、このプロトタイプのプログラムを提示して歯科衛生士・学生を中心にプロトタイプのプログラム検証、作成を行った。また、疾患に対する理解と判断が的確にできるよう、疾患ごとにあらかじめ、「疾患の概要」をまとめ、それに対する「口腔ケア手順」も作成した。さらに、学内向けウエブサイトを立ち上げ、これらの結果をより多くの人に検証してもらえるようにした。
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