1.脳卒中高齢患者の退院後継続看護プログラム有用性の検証 先行文献の検討結果及び、看護師並びに看護師長へのインタビュー結果をもとに16項目の「退院指導アセスメント内容」と11項目の「継続看護につながる退院支援方法」からなる脳卒中高齢患者の退院後継続看護プログラムを考案した。作成したプログラムを用いて、中国C市C総合病院の4つの内科系病棟で、82名の看護師にプログラム内容の重要性に関するアンケート調査を実施した。27項目の内容から「退院指導方法の工夫」「患者の生活状況の把握」「患者の健康行動変容に対する認識の確認」「同職種間連携の強化」「患者と家族への社会資源に関する情報提供」「患者への退院後注意事項の告知」「入院時からの退院指導の実施」との7因子が抽出され、構成概念妥当性が検証された。また、信頼性統計量としてのα係数が0.899であった。これらの結果より、本プログラムの有用性が伺えたため、今後、プログラムによる介入を行い、脳卒中高齢患者の退院支援に関する効果を探索していく。なお、脳卒中高齢患者の在宅療養支援に関する研究も加え、入院から地域や在宅までの一貫した長期ケアが円滑に提供できるような政策提言を行っていく。 2.研究成果の国際発信 本研究において、国際シンポジウムでの招へい講演が1件、国際学会での発表が3件、中国雑誌での論文掲載が1件、国内学会での発表が1件、との研究成果があった。本研究の実施を通して、世界の中で単独に超高齢社会に立った日本で作り上げられた老年看護学領域の成果、とりわけ、地域包括ケアシステムづくりが盛んに取り組まれている中での長期ケアや継続看護に関する英知の国際発信が図られた。
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