粉末吸入製剤の全身性および肺局所的な薬効を明らかにするためには、汎用実験動物のマウスの肺に粉末吸入製剤を確実に投与する必要がある。本研究では、粉末製剤を呼吸に同期させて投与する画期的な装置の開発に取り組み、以下の成果を得た。 1)胸腔の圧力を低下させることで人工的に呼吸を再現できるマウス用陰圧式人工呼吸器を完成させた。2)陰圧式人工呼吸器は、従来技術であるPenn-Century社製投与デバイスDP-4Mに比べ、粉末微粒子吸入製剤の送達効率を3倍高めた。3)肺結核の治療を目的として、抗結核薬のリファンピシンを製剤化し、肺へ投与した結果、十分な抗結核効果を得られる薬物量が肺へ送達されていた。
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