本研究の主な目的は,1)隣合わせで同一課題を行う他者のエラーが,自身のパフォーマンスにどのような影響を及ぼすか,2)その他者と共同課題を行う際,どのようにそのエラー特性が自身のパフォーマンスを修飾するか,を明らかにすることであった.力発揮課題を用いた実験により,以下の2点が示された.1)隣合わせで同一課題を行う他者のエラーは,自身の試技毎のエラー修正過程には有意な影響を及ぼさなかったが,その後行われた共同課題時のパフォーマンスにおいては有意な影響を示した.2)この影響には運動制御の最適化だけでなく個々の社会性を反映した修飾が含まれており,それぞれの影響の度合いは共同課題を行う人数に依存しうる.
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