研究課題/領域番号 |
24700759
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
引原 有輝 千葉工業大学, 工学部, 准教授 (10455420)
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キーワード | 体力・運動能力 / 身体活動量 / 小学校期 |
研究概要 |
平成25年度は、新たに小学1年生161名を対象に、ベースライン測定(初年次)を行った。測定項目は、平成24年度と同様、出生時から3歳児検診ならびに、生活習慣、食習慣に関するアンケート調査、母親の生活習慣状況調査、対象者の骨密度、最大酸素摂取量、文部科学省新体力テスト、TGMD-2(Locomototr test, Object control test)、身体活動量、ならびに起床時と就寝時体温である。また、平成24年度の対象者である87名については、身体活動量の測定(2年目)を予定通り行った。 これまでの取得データから、日常生活下での身体活動量は、下肢を使った移動動作のスキル(Locomotor skill)よりも、道具を使った巧みな応用動作のスキル(Object control skill)においてより強い関連が認められた(横断的検討)。また、87名の1年間の縦断的検討によっても同様の見解が得られている。さらに、初年次の体力・運動能力スコアと2年目の身体活動量との間には有意な相関関係が認められ、その関係は初年次の身体活動量と同様もしくはやや強固になっている可能性が示唆された。 これらのことから、体力・運動能力を小学校期の初期に獲得しておくことは、その後のライフスタイルを活動的に過ごす上で重要な役割を担う可能性を考えており、この見解を実証するために平成26年度以降の追跡調査が重要となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
統計的検定力に耐えられるサンプルサイズを算出した結果、当初設定していた対象者数では不十分なため、今年度は新たに159名の追加測定を行っている。その点では、計画よりもやや遅れぎみではあるが、少なくとも平成26年度ならびに平成27年度の追跡データを順調に取得できれば、本研究の目的である小学校期の初期体力レベルの在り方や身体活動量の目標設定に関する示唆を提示できるものと想定している。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画どおり、平成26年度ならびに平成27年度の追跡データを順調に取得できれば、本研究の目的である小学校期の初期体力レベルの在り方や身体活動量の目標設定に関する示唆を提示できる。すでにベースライン測定を済ませた248名に平成26年度、27年度の測定にも協力が得られるように対応すると同時に、従来の測定内容において協力が得られなかった場合の対応策についても、共同研究者や協力研究者と十分に協議していく予定である。例えば、協力が得られるように、測定内容の簡素化なども含めたことも視野に入れて調査を進めていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度に使用していた測定に関連する消耗物品において、平成25年度においても測定上問題なく継続使用できたことが、次年度使用額が生じる原因となった。 平成26年度の使用計画として、次年度使用額(244,206円)については、既存の加速度センサ内臓型活動量計のセンサ劣化に伴い、20台程度の新規購入を予定している。また、平成26年度の交付額(1,100,000円)については、対象者への研究協力謝金、アルバイト雇用費などの人件費としての支出と、一部の対象者のエネルギー消費量を測定するための安定同位体(18酸素)の購入による支出を見込んでいる。
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