本研究では、女子の理科学習を促進する方法を教師教育の観点から検討した。現職の小・中学校教師と教員養成課程の学生を対象に、理科学習の男女差に関する認識を調査した。その結果、性差に無自覚な現職教師が存在することや、教員養成課程学生の方が、性差を強く感じていることなどが明らかとなった。認識調査と諸外国の先行研究に基づき、教員養成段階において「理科学習と男女差に関する講義」と「少人数制の実験講座」を開発し、実施した結果、学生の理科に対する意識やジェンダー固定観念は変容し、将来の理科指導における留意事項を考えるに至った学生もいた。
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