研究課題/領域番号 |
24700904
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
高木 正則 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 准教授 (80460088)
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キーワード | 作問支援 / 問題自動生成 / 誤答選択肢自動生成 / eテスティング / ご当地検定 |
研究概要 |
1.携帯端末(スマートフォン)用アプリと誤答選択肢自動生成機能の開発 岩手県盛岡市のご当地検定「盛岡もの識り検定」(以下,もりけん)で過去に出題された全問題を解答できるだけでなく,ユーザが作成した問題を投稿できる携帯端末(スマートフォン)用アプリ「もりけん入門クイズ」を開発した.本アプリはiOSとAndroid上で動作するアプリとして開発し,AppleのiTunesやGoogle Playから無料でダウンロードできる.また,一問一答形式問題から多肢選択形式問題への自動変換の際に必要となる誤答選択肢の自動生成機能を開発した.妥当性の高い誤答選択肢を生成するために,一問一答形式問題の誤答情報や,過去問題中の類似問題,web上の情報を用いて知識ベースを構築する方法を提案した.本学の学生に実験協力してもらって収集した誤答情報を用いて誤答選択肢を生成した結果,一問一答形式問題の誤答情報が誤答選択肢へ活用可能であることが示唆された. 2.各種イベントの企画・開催 もりけん合格者と地域住民との交流を目的とした「盛岡の観光ルート考え隊」を企画し,開催した.また,岩手県滝沢村が平成26年1月1日に滝沢市に市制移行したのを契機として「第1回たきざわ検定」を企画し,平成26年3月15日に開催した.検定問題は岩手県立大学の学生や滝沢市睦大学の受講者で作成し,これらの検定問題を本研究で開発したシステムで管理した. 3.ユーザの興味喚起を促すご当地検定問題推薦システムの設計 ユーザが問題を解答した際に感じる面白い・役立つ度合いを推定し,面白い・役立つと感じる問題を推薦できるシステムを提案した.本手法では,facebookのプロフィール情報を取得し,解答者の興味を推定する.平成25年度は面白い・役立つ感じる度合いとプロフィールとの関連性を調査した結果,プロフィール毎で面白い・役立つ度合いが異なることが示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度に要求定義や設計を行った各種機能を実装した情報システムの開発は順調に進展している.開発したシステムには,ご当地検定の作問委員会向けの作問支援システム「Kentei Maker」やご当地検定の受験者向けの学習支援システム「もりけん入門クイズ」などがあり,平成26年度以降も継続してサービスを提供予定である.また,研究対象のフィールドとして新たに「たきざわ検定」を開催したため,本研究の成果を活用できる環境も整いつつある.
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度,25年度に設計・開発してきた出題形式自動変換機能をご当地検定の作問委員会に利用してもらい,作問負担の軽減効果を検証する.また,問題で問いたい知識と出題形式を選択すると問題を自動生成できる機能の開発も行う.そのために,過去問題をすべて構文解析し,抽出された知識から知識ベースを自動構築できる手法や,知識ベースから類似問題を自動生成する手法について研究する.この他,平成24年度,25年度で設計・開発してきた各種システムを2つのご当地検定(もりおか物識り検定,たきざわ検定)で継続利用し,利用結果からシステムの有効性を評価する.
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次年度の研究費の使用計画 |
当初,システムの動作検証に用いるスマートフォン(多機能携帯電話)などの携帯端末と通信費を計上していたが,研究室所有の端末や無線LAN環境で動作検証することができた.また,システム案内チラシの印刷費も計上していたが,平成24年度にチラシ配布した効果が低かったため,ホームページ等でシステム案内をすることにより,より多くのユーザ確保につなげるとともに費用を抑えることができ,次年度使用額が発生した. 次年度使用額は当初予定していたシステムの動作検証に用いるスマートフォン(多機能携帯電話)などの携帯端末と通信費として使用し,より多くの端末で正常に動作するかを検証する.また,本研究成果を広く公表するため,各種ホームページでの情報発信に加え,各種学会において成果発表のための費用として使用する.
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