浅間火山の濁川は山体南麓の炭酸泉から湧出した河川であり、その河床には縞状炭酸塩(トゥファ)が堆積している。本研究は、過去3年間2ヶ月ごとに現地水質調査、堆積物の縞の成長及び水の化学成分の監視を行なった。その結果、濁川トゥファの縞状構造は年縞であり、その化学成分は、水質や水の化学成分の季節変動を反映し、夏季の縞はMgに富む緻密な針状方解石、Mnの多孔質の方解石微粒子からなることを見出すことができた。また、トゥファの形成には、炭酸泉のアルカリ度が重要なファクタであることが、濁川と同じ炭酸泉から流出する蛇堀川の調査から明らかとなった。
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