本研究では、単剤では抗腫瘍活性を示さないが二種類の薬剤を混合した際に強力な活性作用を持つ薬剤を用いて、生体内での変動解析から抗腫瘍作用メカニズム解明を目指した。これまで約30000種の化合物アッセイから、混合により劇的に細胞生存率を低下させる薬剤C053とC127を発見し、構造活性相関、生体内のシグナル変動を解析したが、新たな細胞死を誘導するシグナル伝達経路の発見には至らなかった。しかしながらこの実験経過において既存の薬剤とC053の混合で細胞死が増強される組み合わせが見つかり、転移癌や抗がん剤耐性癌などに対する新たな治療薬・治療法の可能性や応用が期待された。
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