本課題では、糖鎖をプローブとして利用したバイオセンシングを考案することを目的として、糖鎖固定化技術を開発し、それを電界効果トランジスタ(FET)バイオセンサに適用することで、ウイルス検出の可能性を探索した。糖鎖の固定化には、アミノオキシ基を末端に有する有機単分子膜を利用し、センサ表面への糖鎖の高密度・高配向な固定化を実現した。その結果、インフルエンザウイルスの殻表面に存在するタンパク質であるヘマグルチニンに対して特異性を有する糖鎖を固定化したFETが、同タンパク質をaM(10-18 M)レベルで検出可能であることが確認され、ウイルス検出への糖鎖固定化FETの応用可能性が示された。
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