従来相異なるジャンルと考えられてきた実写映像とアニメーションは、CGがかつてなく洗練された21世紀初頭の映像文化において、互いに融合し、両者がともに等しく「動画」を構成していることが認知されている。そうしたデジタル技術時代にあって、実写とアニメーションの混淆をもっとも体現するのが俳優身体である。本研究は、実写映画における俳優身体がいかなる視聴覚的表象から構成されているのかを調査し、CGを衣裳としてまとう俳優がアニメーションにおける声優に接近していると同時に、実写映画の観客が俳優のスター性をその〈声〉に見出す態度を培っていることを明らかにした。
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