本研究による実験の結果、母語の違いに依らず、母語話者は概して二重処理によってコロケーションを処理するが、学習者は異なる処理を並行して同時に行うことが困難であることが考察された。特に、母語と異なる統語形式となるコロケーションは処理が困難であることが示唆された。学習者を習熟度別に分析すると、中級学習者に比べ、上級学習者では全体処理が行われるコロケーションが多くなることが分かった。表現パターンの記憶形成は、言語に内在する属性というよりは、経験によって得られた暗示的知識や明示的学習が影響していると考えられた。一方、コロケーションに内在する属性は、どの処理方法を採用するかに関係していることが示唆された。
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