米国ペンシルヴァニア州の15都市(2008年現在)で導入されている財産税の分離税率課税(以下、SRT)(土地課税を重課、建物課税を軽課する差別税率課税)は、中心市街地の高度利用を促し、コンパクトな都市開発に寄与するとされているが、他方で保全されるべき農地やオープンスペースまで開発される恐れがある。本研究では、現地でヒアリング調査などを行い、ピッツバーグ市などではそうした開発が計画的手法によって、一定規制されていたことを確認できた。また日本でSRTを導入し、その実効性を確保するためには、私権の制限も含めた社会的規制と環境配慮を土地利用計画にいかに組み入れられるかが課題になるという示唆が得られた。
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