本研究では、知的に遅れがないものの、社会性コミュニケーションや社会性想像力等に障害がある高機能自閉症スペクトラムの人(以下、当事者)の職場でのマネジメントの在り方を明らかにする目的として、以下の2つのプロセスについて検討した。1)マネジャーが当事者の特性に基づく独特かつ業務上有効なものの見方を発見していくプロセス、2)マネジャーが当事者との相互作用の中で、組織的な知識共有・創造を誘発しながら組織境界を再構築しようとするプロセス。その結果、マネジャーが当事者の特性を活かす職場環境を作る役割と、そのためのマネジメント・スキル開発の可能性を明らかにした。
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