本研究は、日本を含む31カ国の上場企業12,384の監査報酬を比較分析し、国際的な視点から監査報酬の決定因子に関する理論的および実証的な知見を提供している。分析の結果、第一に、日本の総資産に占める監査報酬の比率(中央値)は31カ国中20位、米国、英国、オーストラリアの4分の1、フランス、ドイツの2分の1であることが観察された。第二に、証券監督が弱い、経営者報酬が低い、ビジネスリスクが小さい国ほど、監査報酬が低いことが観察された。これの結果は、日本企業の監査報酬の決定因子に関する重要な示唆を与えるものである。
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