研究課題/領域番号 |
24730471
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研究機関 | 駒澤大学 |
研究代表者 |
荒井 浩道 駒澤大学, 文学部, 准教授 (60350435)
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キーワード | 認知症家族会 / ピア・サポート / ナラティヴ・アプローチ / テキストマイニング / プログラム評価 |
研究概要 |
認知症介護家族を支援する社会資源として、「認知症家族会」が注目されている。だが近年では、ピアサポート(当事者同士の支え合い)機能が十分に発揮できず、活動が停滞するグループが増加している。認知症家族会のピアサポート機能を十分に発揮するためには、特別なノウハウが必要である。しかし現状では、各グループは“手探り”で運営を行わなければならず、活動の停滞、グループの解散などの問題をかかえている。こうした背景を踏まえ、本研究では認知症家族会の効果的な運営に寄与するため、ピアサポート機能に注目したマニュアルの開発と評価を目的とする。 平成25年度の主な研究実績は、(1)ナラティヴ理論の精緻化、(2)運営ノウハウの蓄積、(3)研究成果の発表、の3点である。(1)ナラティヴ理論の精緻化としては、交流会における語り易さ/語り悪さを説明する概念として「共同体の物語」を導入し分析を進めた。(2)運営ノウハウの蓄積としては、月1回程度開催されている認知症家族会に参加し、許可を得た上で発言内容をまとめ、発言録を作成した。(3)研究成果の発表としては、ナラティヴ研究の成果として単著『ナラティヴ・ソーシャルワーク―“〈支援〉しない支援”の方法』(新泉社)を出版した。またセルフヘルプ・グループ研究の成果として、共著『ピア・サポートの社会学―ALS、認知症介護、依存症、自死遺児、犯罪被害者の物語を聴く』(伊藤智樹編、晃洋書房)を出版した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は、ナラティヴ理論の精緻化、運営ノウハウの蓄積、研究成果の発表を実施した。また、次年度以降の分析に必要なテキストマイニングの可能性を検討した。以上により、平成26年度以降に計画されている研究内容の足がかりを得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、平成25年度に引き続き、運営ノウハウの蓄積、研究成果の発表を行う。平成27年度は、効果的なピアサポート実践の分析、運営マニュアルの開発と評価を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度に実施予定だったデータ分析を平成26年度に実施することになったため。 平成25年度、平成26年度前半に収集したデータを、平成26年度後半に分析する。
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