本研究では、過去に実施されていない特例子会社と親会社の両社への調査を初めて行った。回答率は子会社33.2%、親会社8.6%である。その結果、子会社が親会社から支援を得ながら連携し、障害への配慮を実現している点では特例子会社制度は有効に機能している。しかし①子会社のみで障害者雇用を進めようとする姿勢が多くの両社に窺える点、②障害者雇用の専門的ノウハウのある子会社の親会社が、自身が雇用する障害者への配慮は不十分だと自覚している点、③子会社の活用を考えている両社は非常に少ない点から、多くの企業が本制度を活用しきれていないといえる。今後は特例子会社を自社全体での障害者雇用の拠点とすることが求められる。
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