主に以下の3点を検討した。第1に,幼児期の性格特性理解を原因帰属推論として捉え直した検討を行った。第2に,特性推論における行為者の違いの影響を検討した。第3に特性推論と自称詞の発達と関連について検討した。その結果,次の事柄が明らかとなった。第1に事象の原因として内的要因(意図)と外的要因(物理的事象)が共存する時,成人と幼児の場合とで提示順序が原因帰属推論や行為者の特性推論に与える影響が異なった。第2に,特性推論すべき対象者との関係性が成人も幼児も特性推論に影響を与えた。第3に,特性推論すべき対象者が用いる自分の呼称を操作すると,成人も幼児も敏感に区別して反応していることが示された。
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