本研究は、強い情動価を持たない条件刺激が、快および不快な情動価を有する視覚刺激群に混じって出現する時、観察者が条件刺激と快刺激の出現ペアもしくは条件刺激と不快刺激の出現ペアに注意を集中することによって、その条件刺激に対して肯定的あるいは否定的態度を形成することを発見し、またこの現象の頑健性を確認した。この過程による態度形成は、与えられる刺激ペアの出現率からある程度まで自由であることを見出した。たとえば、ある条件刺激に対して多数の不快刺激が組み合わされて出現する状況下であっても、条件刺激と少数の快刺激の出現ペアに注意を集中することによって、観察者は条件刺激への肯定的態度を形成した。
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