本研究の目的は、幼児の「教えないで見守る」行為の発達過程を検討し、加えて、子どもの教える行為の発達に応じて保育者の認知や働きかけがいかに変化するのかを明らかにすることであった。 幼児を対象に課題を行い、学び手の「自分でできるようになりたい」という欲求が明示された条件おいては、年長児で「教えないで見守る」を選択する子どもが増えることが明らかになった。また、保育者への質問紙調査から、保育者は子どもの年齢にかかわらず、「子どもは教えるだろう」と予測し、学び手の欲求が明示されない条件においても「教えないで見守る」ことを子どもに期待することが明らかになった。
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