研究課題/領域番号 |
24730613
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
岡村 尚昌 久留米大学, 高次脳疾患研究所, 助教 (00454918)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 睡眠習慣の乱れ / QOL / 唾液中PNEI反応 / 心身の健康 |
研究実績の概要 |
睡眠時間や睡眠の質が心身の健康に影響を及ぼすことが明らかにされている。しかし、就寝及び起床時刻が慢性的に不規則といった睡眠習慣の乱れと精神神経内分泌免疫学的(PNEI)反応との関連性を検討した研究は少ない。 本研究は、大学生115名を対象に睡眠習慣調査票によって評価した睡眠習慣の乱れの有無によって代表的な唾液中PNEI反応であるコルチゾール、MHPG、s-IgAの値が異なるかを検討した。 その結果、睡眠習慣が乱れている大学生は、そうでない大学生に比較してコルチゾール及びMHPGが有意に高く、s-IgAは有意に低かった。慢性的な睡眠習慣の乱れが生体反応の乱れと関連することが示唆された。 さらに,昨年度から継続して,睡眠習慣の乱れが実験的に急性ストレスを負荷した際の心理生物学的ストレス反応(唾液中PNEI反応,気分変化)に及ぼす影響を検討してる。そ結果,睡眠習慣の乱れの有無によって急性ストレスに対する反応性が異なることが示された。現在,より詳細な統計解析中であり,本研究で得られた結果は,随時主要な学会で成果発表または学術雑誌に投稿する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画書に基づいて,フィールドおよび実験室研究を実施し,予定通り順調に終了した。成果発表のために詳細な統計解析等が残ってはいるが,特に進展に問題はない。最終年度である平成27年も引き続き計画書に基づいて睡眠介入研究を実施し,成果を導き出していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
睡眠習慣の改善によってQOLが向上することをバイオマーカーおよびセルフモニタリング法を用いた介入研究から実証的に検証する。 対象者は,研究1と同じ要領で募集した対象者のうち,睡眠習慣の乱れがある学生のみを対象とし,認知-行動療法に基づいたセルフモニタリング法を通じて3ヶ月間取り組む介入群(15名)と質問紙のみを回答する対照群(15名)に無作為に分ける。介入群には,各対象の現状に基づいた睡眠習慣の実践目標を面接・協議の上で設定し,実践目標が印刷された睡眠日誌を配布後,3ヶ月間に渡って実践目標達成の結果を日々記録する。その間,睡眠日誌を用いて月2回,各60分の面接行う(田中,2005)。両群ともに,3ヶ月間の追跡期間中,1ヶ月毎に睡眠健康度調査とアクチグラフによる睡眠リズムの評価に加え,PNEI反応(研究2の要領で平日と休日),SF-36や健康度検査を測定する。 結果の分析は,介入後のQOLの向上やバイオマーカーの変化を予測する睡眠習慣と心理社会的要因を抽出するためにロジスティック回帰分析や重回帰分析を適用する。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画的使用したが,端数分の11,000円が余った。
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次年度使用額の使用計画 |
少額の繰り越しのため,消耗品等にあてる。
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