本研究では、ヒト以外の動物において外部の出来事の間の時間関係が、それらの間にある因果関係の推論にどのような影響を与えるのかを検討した。原因は必ず結果に先行するため、二つの出来事の間に時間的な前後関係がある場合には因果関係の存在を推論し、二つの出来事が同時に生起するときにはそうした推論は行われないことが予想される。実験の結果、ラットにおいても出来事の間の時間関係に応じて推論を行うことが示された。また、その際に「自分の行動が結果を引き起こした」という自己主体感をラットも経験していることが示唆された。
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