将来の犯罪抑止のため、少年が学校とのつながりをもつことは重要とされるが、それはどのように成し遂げられているのだろうか?。本研究では、いわゆる「荒れ」た中学校に関わりつつ、入学当初から校内暴力などの問題をひきおこした生徒たちが、3年間という時間のなかで、どのように教師や一般生徒たちとのつながりを築いていくのかを観察した。その結果、「荒れ」の収束には、問題行動をおこす生徒自身への介入もさることながら、一般生徒に働きかけることで校内に豊かな人間関係を築くことが重要なこと、問題行動をおこす生徒を規範でしばるのではなく、むしろ、信頼関係をもとに「ついていきながら支援」することが重要なことがわかった。
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