研究課題/領域番号 |
24730761
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
岩田 吉生 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (20314065)
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キーワード | 聴覚障害 / 通常の学校 / インクルージョン / 保護者 / 教育ニーズ |
研究概要 |
通常の学校に在籍する聴覚障害児の保護者の教育支援体制に関するニーズの実態を把握するために、質問紙による調査研究を行い、量的・質的検討を実施する。方法としては、聴覚障害児の保護者に対して、郵送による質問紙調査を行う。「入学前に要望した支援」・「現在の教育支援状況」・「今後希望する教育支援」に関して、聴覚障害児の年齢、裸耳聴力レベル、補聴器装用レベル、補聴器・人工内耳の区別、教育歴、通常の学校における難聴学級の有無、コミュニケーション・言語環境の手段等の各要因について分析検討を行うことにより、通常の学校に在籍する聴覚障害児の教育支援と、保護者への情報提供・保護者支援の在り方を検討した。 平成25年度の研究実績としては、中学校と高校で学ぶ聴覚障害児の保護者へ質問紙の回答数を増やし、その結果を分析した。 調査の結果は以下の通りである。①中学校で学ぶ聴覚障害児の保護者は、学校に対してさまざまな支援や配慮を求めているが、学校の教員に理解されず支援されない、また一人の教員に伝わっても学校全体の支援として確立していかない現状が推察された。②高校で学ぶ聴覚障害児の保護者は、入学前に学校に保護者が要望しても、学校と教員の支援がなされない項目が多いが、他の生徒の配慮のあるケースが多いことがわかった。 結果については、第51回特殊教育学会でのポスター発表を行った他、大学の紀要論文を1篇執筆した。今後は、データ数を増やして、学会発表の内容を再検討し、学会誌への論文としてまとめる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
聴覚障害児の保護者の調査依頼に関して、当初予定していた人数に達しておらず、平成25年度の後半においても調査依頼を継続していた。現在は、データ収集をほぼ終えており、結果の集計と、論文原稿を執筆中である。
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今後の研究の推進方策 |
これまで収集してきたデータを分析検討し、第52回特殊教育学会では、小学校の難聴学級で学ぶ聴覚障害児の保護者の教育的ニーズに関してポスター発表を行う。 また、小学校・中学校・高校で学ぶ聴覚障害児の保護者のニーズの違いに関する分析や、各学校で学ぶ聴覚障害児の保護者の入学前・入学後の教育的ニーズの変化に関しても検討を行う予定である。 これらの結果は、大学紀要および学会誌への論文としてまとめる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
聴覚障害児の保護者に調査依頼を行っていたが、データ収集が予定通りに進まず、調査の実施が遅れていた。調査依頼と打ち合わせに関わる旅費と、質問紙の調査依頼に関わる郵送費等が使用されないでいたため、予定通りに予算が使われなかった。 調査結果については、国内の学会にて発表を行うため、旅費として使用する。 また、結果を論文としてまとめる際の文献収集として、洋書・和書の書籍を購入する。 さらに、調査結果を報告書としてまとめる予定であるため、印刷代として使用する予定である。
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