この研究では、平方因子を持たないレベルのパラモジュラー群に関する2次ジーゲルカスプ形式の空間の明示的次元公式を導出し、それを用いて異なる保型形式の間での次元の関係式を記述した。それを応用して、2種類の予想を提唱した。まず第一に、既に知られていた素数レベルの場合を拡張する形で、L関数を保つ同型対応の予想を提唱した。第二に、不定符号四元数環から定義されるいわゆる非分裂型シンプレクティック群に関する2次ジーゲル保型形式の空間への1変数保型形式の空間からのリフティングの予想を提唱した。さらに、判別式が6の場合のL関数を具体的に計算することにより上記予想の数値的根拠を与えることにも成功した。
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