ゼータ正規化積およびそれに付随して現れる特殊関数について、代数的・解析的研究を行った。例えば、ゼータ正規化積の拡張である "深さ r のゼータ正規化積" を導入し、然るべき多様体上のラプラシアンの固有値に対してそれを計算した。また、ゼータ正規化積の有限類似(グラフ類似)である Ihara ゼータ関数に関連して、Ramanujan グラフの研究も行った。具体的には、完全グラフから辺を間引いてどこまで Ramanujan グラフであり続けるかという問題を考え、巡回群などに対する Cayley グラフの場合に、その境界の決定が解析数論的な問題と関連することを明らかにした。
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