日本初の赤外線天文衛星「あかり」による中間赤外線全天サーベイ観測データから、空間的に広がった放射成分の強度分布を精確に解析する方法を確立し、我々の銀河系内の星間空間に存在する有機物および固体粒子の性質・分布を研究した。さらに、観測的された有機物の分子形状や電離度を手掛かりに、その領域の物理状態 (付近の大質量星による加熱や、衝撃波の通過履歴等) を推定する方法を新しく確立した。今後、星形成領域や超新星残骸など天文学の様々な分野の研究へ応用してゆく。また、データ解析を通じて装置特性に対する新たな発見があり、次世代の赤外線天文衛星の開発にフィードバックすべき技術的情報も取得した。
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