世界最多雨地域であるバングラデシュ周辺で卓越する準2週間周期変動は、熱帯~中緯度の対流圏全層をまたぐ非常に広域なモンスーンシステムの中でみられる同周期帯の大規模大気循環場(6000km以上)変動が、対象領域周辺の大規模な地形的特徴(約3000Km)を介して同周期帯の東西風変動を顕著にし、さらに領域スケールの地形分布(約500Km)により、地形性降雨の増大と小規模低気圧(約600Km)の発生・発達をもたらし、降水変動として顕在化することが分かった。まさに、多重空間スケールの地形と大気変動の相互作用及び中緯度-熱帯大気の相互作用が、世界最多雨領域の降水変動を形成・維持していることが明らかになった。
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