電子線を蛍光薄膜に照射した際に、蛍光薄膜内部及びその周囲に形成される電磁場分布を解析するためのシミュレーション法を開発した。入射電子線の蛍光薄膜内での散乱解析にはモンテカルロ法を、励起された光の伝搬解析はFDTD法を用いた。開発した計算手法を用いて、極薄の蛍光薄膜に電子線を照射すると、光の回折限界以下の光ナノスポットを生成可能であることが分かった。解析の結果、入射電子の加速電圧が高く、蛍光薄膜が薄いと生成される光スポットが小さくなることが分かった。しかし、加速電圧が高いと光強度は低下する。必要な光スポットサイズとその光強度から蛍光薄膜の厚みと入射電子の加速電圧を決める必要がある。
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