紫外光照射による光化学反応を重畳したSiC単結晶の高能率鏡面研削を実現するため,単粒研削を模した漸増切込み試験(スクラッチ試験)によってSiC単結晶の基礎的な加工特性を明らかにした.その結果,延性モードで加工可能な臨界切込み量は,紫外光照射なしでは0.03μmだったのに対して紫外光照射されたSiC表面には酸化物が形成されることで2~3倍まで大きくなることが明らかになった.さらに紫外光照射時に熱を与えることによって形成される酸化物の厚さは飛躍的に大きくなり,臨界切込み量も増大することが明らかになった.
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