人工関節の摩擦摩耗挙動に大きな影響を与える蛋白質吸着膜について電気化学的手法を用いて挙動について調査を行った.蛋白質にはアルブミンとγグロブリンを用いた.超高分子量ポリエチレン(GUR1050)とCoCrMo合金(ASTMF75)の組み合わせにおいて,CoCrMo合金の表面電位を摩擦試験中に測定することで合金表面での蛋白質吸着膜の挙動について調査を行った.アルブミンは摩擦による剥離が観察された.γグロブリンは摩擦を受けても剥離しないことが観察された.これら2つの蛋白質には吸着力に差があることが明らかとなった.この吸着力の差が摩擦摩耗を増減する蛋白質吸着膜の構造形成に影響していると考えられる.
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