研究課題
最終年度には,平成25年度までに得られた結果に基づき,力学モデルの精緻な解析を行うとともに,追加の実験解析を実施した.特に,実験装置では再現することが困難な環境条件を理論モデルに組み込むことで,様々な物理パラメータを有する環境に対しする運動解析を理論的に進めた.また,実験装置で再現することのできる二次元微小重力環境の精度と質を向上させるため,実験装置に改良を施し,安定してより長い時間の実験が可能なロボットシステムを開発することができた.本研究課題の推進を通じて,微小重力環境下における移動メカニズムという観点に対して,これまでにない振動推進を利用したマイクロホップ移動機構を提案し,その有用性を理論的および実験的に示すことができた.また,微小重力環境における移動力学原理については,小型なアクチュエータである偏心モータを用いた遠心力(振動力)を利用することで,実機実現し,重力の小さな環境での表面移動の移動力学モデルに組み込むことで,様々な移動形態が実現可能であることを示した.特に,表面の物理量や繊毛の弾性特性を種々変更してパラメトリックに解析することにより,各物理パラメータが走行特性に与える影響を定量的に評価することで,力学理論体系の構築を行うことができた.本研究課題で得られた成果は,微小重力という極限環境下での移動力学原理に着眼したものである.特に,本研究課題により不確かな微小重力かつ地形環境を対象としたロボットの移動力学において,適応的な移動を実現することが可能となる.本研究課題で提案した移動方式は,リソースの面からも非常に実践的な手法であるため,小天体探査ロボットへの応用が期待でき,宇宙開発におけるロボット探査を促進させることに繋がるものと考えられる.
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