本研究課題は、水辺を有する都市の近代都市形成史を、革新的な治水・利水技術の導入、新たな水需要の発生、周辺市街地の拡大、河川管理の枠組みの再編という各種のインパクトに伴う都市と水辺の接続性の変化という観点から再評価することで、都市に水辺を含んだ界隈を創出するための方策を提案することを目指した。都市と水辺の接続性は、周辺市街地から水辺へのアクセスの担保、良好な眺めの担保、沿川の土地利用と一体となった水辺でのアクティビティの担保、そしてその景観の価値を見出し共有する地域共同体の担保により、従前とは異なる形でも現代まで維持され、あるいは新たに新設されることとなったことが明らかとなった。
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