本研究では、建築材料の吸音性能を評価する最重要の指標の一つである残響室法吸音率について、近年急速に発展している波動音響に基づく非定常音場シミュレーションを駆使し、残響室法吸音率測定値の変動要因と測定誤差の関係の明確化、および残響室法吸音率補正手法の開発と適用範囲の検証を行った。 室形状,周波数,測定試料の吸音率・面積の異なる72種の測定音場を対象に有限要素法による非定常音場シミュレーションを実施し、全壁面へ入射する音のエネルギに対する試料へ入射する音のエネルギの割合(r(t))を用いて補正した残響室法吸音率が、補正しない残響室法吸音率と比較し、理想値をより捉えることを示した。
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