室内化学物質濃度と建築材料や室内環境要因の間には密接な関連が認められた.築後月数,床材,壁・天井材,構造などの要因の影響が大きい.材料の種類と大きさの違いは,材料の印象に影響を与える可能性が示唆された.また,化学物質への感受性によって,材料の印象の強弱が異なる可能性が示された.生理反応としての脈拍数および脈拍比は,空間の差異により影響を受けている可能性が示唆された.総括すると,“空気の質のよさ” 意識構造は,環境物理量のみではなく,空間構成要素と組み合わせ,印象の度合い,個人の感受性などによって,複合的に構成されている可能性が示唆された.
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