本研究では,従来の強誘電体とは異なったメカニズムによる新規な強誘電的特性が期待される非ペロブスカイト型六方晶構造を有するRMO3(R:希土類)および関連の酸化物の系について,セラミックス・単結晶試料合成,走査透過型電子顕微鏡による高分解能観察,および理論計算を併用した微構造解析を行った.これまで詳細な報告が限られていたDyInO3およびYMnO3化合物における分極構造,分域構造に関する原子スケール観察データを得るとともに,原子分解能STEM観察および第一原理理論計算を併用した酸化物微構造のより精密な解析手法の可能性が示された.
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