本研究では、2000K以上の高温融体の凝固現象における液相構造と固相構造の相関を原子スケールで明らかにすることを目的とし、レーザー加熱型ゾーンメルト装置を用いた構造解析手法を考案した。アルミナおよびチタンをはじめとする高融点物質のゾーンメルト状態を実現し、放射光X線を用いることにより、高精度液体構造データの取得に成功した。このことにより、高融点物質の新たな液体構造解析手法として本手法の利用が有効であることを示した。また、凝固界面近傍の液相および固相の構造データの取得に成功し、凝固界面において、従来は観測されていない準安定相の析出を示唆する結果を得た。
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