音波を用いてワイヤレスに情報を伝送する水中音響通信は水中ロボットの制御や海洋工事での映像伝送など多くの需要がある一方で,マルチパスやドップラー広がりの影響により安定した通信の実現が難しいことで知られている.そこで伝送速度と伝送品質の改善を目的に,マルチパスに頑健な通信方式(直交信号分割多重方式)とアレイ信号処理を組み合わせ,さらに,その効果を実証実験により確認した.水槽実験ならびに港湾における実験によって提案手法の性能を評価した結果,提案手法は従来用いられてきた通信方式と比較して,通信品質を大きく向上できることを明らかにした.今後はドップラー広がりへの対策が課題である.
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