カッコウなどの托卵鳥は,自身では子育てをせず,他種の巣に卵を産み込み,雛を育てさせる.多くの托卵鳥の卵は宿主の卵に擬態しており,宿主の仮親が識別して巣から捨ててしまわないために進化したと考えられている.一方,熱帯に生息するテリカッコウ類の雛は,宿主の雛に擬態していることが知られている.南太平洋に位置するニューカレドニアで調査を行い,当地に生息するテリカッコウとその宿主の双方において,雛の皮膚の色が白と黒の2タイプあること(多型)を世界で初めて発見した.宿主においてテリカッコウの擬態から逃れるために新たな皮膚色が進化し,さらにテリカッコウでもその新たな皮膚色への擬態が進化した結果と考えられる.
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