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2013 年度 実績報告書

Dorsal ruffle形成におけるDOCK180の時空間的制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24770127
研究機関九州大学

研究代表者

實松 史幸  九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (80381094)

キーワード細胞骨格 / ラッフル膜形成 / Rac / ホスファチジン酸
研究概要

本研究は非古典的Rac活性化分子であるDOCK180(DOCK1)及びDOCK5の機能とその時空間的制御機構を明らかにすることを目的にした。DOCK1及びDOCK5の遺伝子欠損マウスより初代線維芽細胞(MEF)を単離し解析を行った結果、以下の様な成果を得た。
成長因子によってチロシンキナーゼ受容体を刺激することで、細胞はDorsal ruffleとPeripheral ruffleという2つのラッフル膜を形成する。そのうち、Dorsal ruffle形成においてはDOCK1は必須な分子であるのに対し、DOCK5は関与していないことを見出した。アミノ酸比較解析の結果、DOCK1はDOCK5と違いC末側にpolybasic部位を持ち、その部位を介してイノシトールリン脂質のホスファチジン酸(PA)と結合することが分かった。また、チロシンキナーゼ受容体の下流で、PLDはPAを産生することでDorsal ruffle形成を促進することが分かった。以上より、細胞膜上でPAが産生されることによりDOCK1が細胞膜へと移行するDOCK1の時空間的制御機構がDorsalruffle形成に重要であることを明らかとした。
さらに、Dorsal ruffle形成と細胞浸潤過程とは共通の機構を持つことが示唆されていることから、DOCK1が細胞浸潤過程に影響を及ぼすかを検討した。その結果、DOCK1欠損MEFにおいてはマトリゲルへの浸潤能が顕著に低下することを見出した。また、DOCK1をノックダウンしたがん細胞を用いても同様の結果を得た。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] The Rac activator DOCK2 regulates natural killer cell-mediated cytotoxicity in mice through the lytic synapse formation.2013

    • 著者名/発表者名
      Sakai Y, Tanaka Y, Yanagihara T, Watanabe M, Duan X, Terasawa M, Nishikimi A, Sanematsu F, Fukui Y.
    • 雑誌名

      Blood

      巻: 122(3) ページ: 386-393

    • DOI

      10.1182/blood-2012-12-475897.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Phosphatidic acid-dependent recruitment and function of the Rac activator DOCK1 during dorsal ruffle formation.2013

    • 著者名/発表者名
      Sanematsu F, Nishikimi A, Watanabe M, Hongu T, Tanaka Y, Kanaho Y, Cote; JF, Fukui Y.
    • 雑誌名

      J Biol Chem.

      巻: 288(12) ページ: 8092-8100.

    • DOI

      10.1074/jbc.M112.410423.

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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