福島第一原子力発電所の事故により、現在多量の放射能汚染水が生産され続けている。本研究により、我々が独自に開発した組換え微生物発酵によって生産される2-ピロン4,6-ジカルボン酸は、同じアルカリ金属の中でも特にCsと選択的に錯体を形成して沈殿を生じることが明らかとなった。またその錯体構造をX線結晶回折により決定し、その結果Naとの錯体と比較して水分子が配意せずより巨大な分子となることでより沈殿が生じやすくなることを明らかにした。また、PDCをアンモニア処理してバレロラクトンに変換するとゲル担体へ化学的に結合できることがわかり、高効率放射性Csを除去するゲル担体の合成経路を設計することができた。
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