ラフィド藻のシャトネラは富栄養化した大規模な赤潮を起こし養殖魚の大量斃死を招く植物プランクトンである。シャトネラ赤潮は富栄養化していない海域でも多発するようになってきた。近年、多くの赤潮形成種が他のプランクトンを捕食する混合栄養性生物であることが明らかとなっている。混合栄養性生物は他の生物から栄養を摂取できるため富栄養化していない海域で有利であると考えられるが、シャトネラの混合栄養性は不明である。本研究ではシャトネラ属のChattonella antiquaによる摂餌が、赤潮の発生、維持機構に果たす役割を解明することを目的とし、室内による摂餌実験および現場のシャトネラ細胞の観察を行った。
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