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2013 年度 実績報告書

核膜透過性の生物学的意義の検討

研究課題

研究課題/領域番号 24790103
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

下薗 哲  独立行政法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 研究員 (40391982)

キーワード核膜 / 蛍光タンパク質
研究概要

本年度は、Swiss3T3細胞の核膜透過性の増大が、1. カルシウムイオン濃度に依存するのか否か、2. 細胞外基質の影響、3. 一過性であるのか持続的であるのか?の三点について特に検討した。
1. 細胞内カルシウムイオン濃度に依存するか:カルシウムイオンは核膜の透過性を上昇させるとの報告がある。mVenus-KikGを発現するSwiss3T3の細胞内カルシウムイオン濃度をイオノフォアionomycinを用いて上昇させ、その前後でmVenus-KikGの細胞質―核の局在を観察した(この実験には核に殆ど蛍光が観察されず、細胞質に強い蛍光を呈する細胞を選別)。イオノフォアの投与による顕著な局在の変化は観察されなかった。この結果は細胞内カルシウムイオン濃度は高い核膜透過性の原因では無いことを示している。
2. 細胞外基質の影響:ガラスボトムに塗布した細胞外基質が細胞に機械的ストレスを与え、核膜透過性にも影響を及ぼす可能性が指摘されている。コラーゲンコートしたガラスボトムディッシュとコートしないディッシュでmVenus-KikGの局在を検討したが、コラーゲンコートの有無でmVenus-KikGの局在に大差はなかった。
3. 一過性であるか持続的であるか:核膜の透過性増大が一過性であるのか、持続性であるのかを検討するために、細胞質と核にmVenus-KikGRが同程度に分布する細胞(核膜の透過性が高いことを示唆する)について、細胞質に405 nmのレーザーを照射することによりmVenus-KikGRのKikGR部分を赤色化し、赤色蛍光の核への移行を追跡した。赤色蛍光を経時的に観察すると、赤色蛍光は核へ移行せず細胞質にとどまった。この結果から核膜の透過性上昇は持続的なものではなく細胞周期間期に一過性に生じる現象であることを明らかにした。

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公開日: 2015-05-28  

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