腎虚血再灌流(I/R)傷害は腎移植時の重要課題である。尿細管上皮のI/R傷害におけるオートファジー(AP)リソソーム系の関与を近位尿細管特異的カテプシンD欠損(CDKO)マウスで解析した。野生型マウスではI/R負荷後、近位尿細管上皮細胞(RPTEC)にAPの誘導とCD活性の増強を認めた。CDKOマウスでは、非I/R下でも様々な小胞体異常やオートファゴソーム像を認めた。I/R負荷にてRPTECのこのような変化が特に細胞死の形態を示す細胞で増強し、野生型に比べ尿細管傷害が強かった。腎I/R傷害はRPTECに誘導されるAPの強さに依存し、その下流にあるリソソームプロテアーゼの関与が示唆された。
|