低気圧接近などの気象変化によって慢性痛や片頭痛が悪化することは、経験的によく知られている。これまでの研究で、日常の気象変化で体験する程度の気圧低下によって慢性痛が増強する現象を、慢性痛モデル動物で再現することができた。また、内耳を破壊した慢性痛モデルラットでは、気圧低下によって痛みが増強しないことがわかり、内耳が気圧検出に関係する可能性を示唆する結果が得られた。本研究で、生体内気圧検出機構について、さらに詳細な関連部位や分子機構の解明を検討したところ、気圧低下によって健常ラットの前庭神経核c-Fosタンパク発現が、有意に増加することが確認できた。
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